Tempo Woiの歩み
Tempo Woiは1992年、時計職人の経験を持つ創業者が、東京・赤坂の小さな工房から始めました。当時はまだ機械式時計が主流で、街の時計店が修理を行う時代でした。しかし、複雑な機構を持つ時計や古い懐中時計の修理には、専門的な知識と技術が必要とされていました。
創業者は若い頃、スイスの時計学校で時計製造技術を学び、帰国後は大手時計メーカーで修理技術者として働いていました。その経験を活かし、一般的な時計店では対応できない複雑な修理を専門に扱う工房を立ち上げることを決意したのです。
開業当初は、アンティークウォッチ愛好家からの依頼が中心でした。19世紀後半から20世紀初頭に製造された懐中時計は、すでに部品の入手が困難になっており、既存の部品を活用したり、時には部品を手作りする必要がありました。このような困難な作業を通じて、工房の技術力は着実に向上していきました。
2000年代に入ると、機械式腕時計の人気が再び高まり、複雑機構を持つ高級時計の需要が増加しました。永久カレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターなど、高度な技術を要する時計の修理依頼が増え、工房は専門設備の導入と技術者の育成に力を入れました。
現在では、3名の熟練時計技師と2名の見習い職人が在籍し、年間500本以上の時計修理を手がけています。各技師は得意分野を持ち、チームとして協力しながら、どのような時計にも対応できる体制を整えています。
私たちの使命は、お客様の大切な時計を丁寧に修理し、次の世代へと繋いでいくことです。時計は単なる時間を計る道具ではなく、持ち主の人生の一部であり、家族の思い出が込められた宝物です。その価値を理解し、尊重する姿勢を常に持ち続けています。
品質基準と作業プロトコル
精密診断システム
すべての時計は、お預かり時に詳細な診断を行います。タイミングマシンで精度を測定し、ムーブメントの状態を顕微鏡で確認します。
- 複数ポジションでの精度測定
- ムーブメント各部の摩耗確認
- 防水性能テスト
- ケース・ブレスレット状態評価
洗浄と潤滑管理
超音波洗浄機を使用した段階的な洗浄プロセスと、部品ごとに最適な潤滑油を選定する厳格な管理システムを採用しています。
- 3段階超音波洗浄
- 部品別潤滑油選定
- 適切な油量管理
- 乾燥環境での組立
専門工具と設備
時計修理に必要な専門工具を完備し、定期的にメンテナンスを実施。精密作業に最適な環境を維持しています。
- 各ブランド専用工具保有
- 精密測定機器による検証
- クリーンルーム作業環境
- 温湿度管理された保管庫
品質検証プロセス
修理完了後、72時間以上の動作テストを実施。複数の姿勢で精度を確認し、すべての機能が正常に動作することを検証します。
- 72時間連続動作確認
- 6姿勢精度測定
- 全機能動作テスト
- 防水性能再確認
専門知識と技術力
機械式時計の修理には、精密機械に関する深い理解と、長年の経験に基づく職人技が必要です。時計のムーブメントは、数百もの微細な部品が複雑に組み合わされており、それぞれの部品が正確に機能することで初めて正確な時間を刻むことができます。
当工房の技術者は、スイスの時計学校で基礎を学び、日本国内の時計メーカーや修理専門店で実務経験を積んだプロフェッショナルです。懐中時計の修復から最新の複雑機構まで、幅広い知識と技術を持ち合わせています。特にアンティーク時計の修復では、当時の製造技術や材料を理解し、オリジナルの状態を尊重した修復を行うことを心がけています。
複雑機構を持つ時計の整備では、基本的なムーブメントの知識に加えて、カレンダー機構、クロノグラフ機構、トゥールビヨンなど、特殊な機構についての専門知識が求められます。これらの機構は繊細で、わずかな調整ミスが大きな問題を引き起こす可能性があります。当工房では、各技術者が得意分野を持ち、互いに知識を共有しながら技術向上に努めています。
時計修理業界は常に進化しており、新しい技術や材料が導入されています。私たちは定期的に技術講習会に参加し、最新の修理技術や工具の使用方法を学んでいます。また、時計製造メーカーが提供する技術情報や修理マニュアルにアクセスし、各ブランドの特性を理解した上で修理を行っています。
お客様の時計を預かることは、大きな責任を伴います。時計にはそれぞれの歴史があり、持ち主の思い出が込められています。私たちはその重みを理解し、一つひとつの時計に真摯に向き合い、最高の技術で修理を行うことをお約束いたします。